大雨のニュースを見たときや、転居先を考えるとき、札幌市東区のハザードマップを開いても、どの地図から見ればよいのか迷うことがあります。色が付いているかどうかだけで判断せず、「何の災害を想定した地図なのか」から見ていきたいところです。
地域情報メディア『東区どさんこプレス』のエリア担当ライター、ハルです。わたしは車で区内を動くことが多いので、自宅だけでなく、普段通る道や避難先まで地図で確認するようにしています。
2026年8月25日には、札幌市東区で局地的な激しい雨による道路冠水が発生し、丘珠空港近くでも道路に水がたまる様子が報じられました。普段は何気なく通っている道でも、大雨の日は状況が変わることがあります。
この記事では、東区で見ておきたい浸水ハザードマップと地震防災マップ、避難場所との見比べ方、車で移動する人が確認しておきたいことを順番にまとめます。
東区でまず見たい2つのハザードマップ
札幌市では、東区版の「浸水ハザードマップ」と「地震防災マップ」が公開されています。災害の種類によって見る内容が違うため、一つの地図だけですべてを判断するものではありません。
浸水ハザードマップでは、洪水と内水氾濫の違いや浸水の想定、避難場所、大雨時に注意したい場所などを確認できます。住所から詳しく見るときは、札幌市地図情報サービスも使えます。
地震防災マップでは、震度分布、液状化危険度、家屋全壊率が分けて掲載されています。まずは「今どの種類の危険を見ているのか」を意識すると、地図の色を取り違えにくくなります。
洪水と内水氾濫は分けて見る
浸水ハザードマップを見るときに、最初に分けて考えたいのが洪水と内水氾濫です。
洪水は、川が氾濫することで発生する浸水です。一方の内水氾濫は、短時間に強い雨が降るなどして、下水道で雨水を排水しきれなくなったときに発生する浸水です。
そのため、洪水の表示だけを見て「ここは大丈夫」と決めるのではなく、内水氾濫の想定も分けて見ます。色が付いている場所では、凡例を見て想定される浸水の深さも確認します。
ハルまず洪水、次に内水と分けると見やすいです
2026年8月25日には東区で道路冠水も
地図を見る理由を実感したのが、2026年8月25日の大雨です。札幌市東区では道路冠水が発生し、HTB北海道ニュースでは、丘珠空港近くの道路に水がたまり、車が水しぶきを上げながら走る様子が報じられました。
札幌市内では、一部の道路でマンホールから水が吹き出す状況も報じられています。こうした実際の道路冠水がすべてハザードマップ上の想定と一致するとは限りません。
わたしは車で東区内を移動することが多いので、自宅の場所だけでなく、普段使う道路も一緒に見るようにしています。大雨の日に初めて考えるのではなく、平常時に「別の道ならどこを通るか」まで見ておくと判断しやすくなります。
色が付いていない場所だけ見て安心しない
ハザードマップは、一定の想定条件をもとに作られています。地図で着色されていないことだけを理由に、あらゆる大雨で浸水しないと考えるのは避けたいところです。
洪水を見ているなら内水氾濫を、浸水を見ているなら地震や避難経路も別に確認します。地図の色は「安全か危険かを一度で決める印」ではなく、次に何を確認するかを考える材料として使うと分かりやすいです。
色の有無だけで住まいや避難行動を決めないことがポイントです。
地震は震度・液状化・家屋全壊率を分けて確認する
東区版の地震防災マップでは、震度分布図、液状化危険度図、家屋全壊率図が掲載されています。
わたしも最初は、地震の地図を一つ見れば全部分かるような感覚がありました。でも、震度と液状化では見ているものが違います。表示を切り替えながら、それぞれの凡例を確認したほうが混乱しません。
液状化危険度も、個別の土地や建物について安全か危険かをそのまま判断するものではありません。住まい探しで気になる場合は、ハザードマップに加えて土地や建物の情報も確認したいところです。
住所から自宅周辺を確認する
東区全体を広い地図のまま見ると、自宅や勤務先との距離感が分かりにくくなります。まず住所を一つ決めて、そこを起点に見る方法が分かりやすいです。
札幌市の浸水ハザードマップ案内ページからは、避難地図を拡大したり住所検索をしたりできる札幌市地図情報サービスへ進めます。地震の震度分布、液状化危険度、家屋全壊率も地図情報サービスで確認できます。
自宅、勤務先、検討中の住まいなど、気になる場所を一つ表示します。
洪水、内水、地震などを分けて、凡例と一緒に確認します。
避難場所だけでなく、そこまでの経路も地図で確認します。
避難場所は災害の種類まで確認する
近くに学校や公共施設があるからといって、どの災害でも同じように避難できるとは限りません。
札幌市では、指定緊急避難場所を洪水災害、土砂災害、地震災害、大規模な火事といった災害の種類ごとに指定しています。東区の一覧でも、それぞれの施設について指定の有無を確認できます。
さらに、施設が指定されていることと、災害発生時に実際に開設されていることは別です。災害時には、その時点の札幌市の避難情報や避難所の開設状況を確認します。
- 自宅から避難場所までの経路
- 自分が想定している災害で指定されている施設か
- 川沿いや水がたまりそうな場所を通らないか
- 夜間や積雪期でも通りやすい経路か
大雨時は車なら安全とは限らない
車で移動することが多い人ほど、もう一つ考えておきたいのが「大雨のときも車で避難するのか」という点です。
2026年8月の千葉豪雨では、JAFが8月13日から16日までの4日間に千葉県内で受け付けた冠水関連の救援要請が3,871件に達しました。全国のロードサービス隊から選ばれた特別支援隊も派遣され、冠水車両のけん引などにあたっています。
これは3,871台すべてが放置されたという意味ではありませんが、大雨で車が動けなくなると、救援が必要な車が一気に増えることが分かります。
札幌市も、特別な場合を除いて車での避難を控えるよう案内しています。運転中に目の前の道路が冠水している場合は、水深が分からないため進入せず、引き返して迂回することが基本です。
避難情報が出てから、冠水した道を車で無理に進むことは避けたいところです。札幌市から避難情報が出ているときはその内容を確認し、安全に移動できる段階で行動します。
すでに周囲の浸水が始まり、外へ出るほうが危険な場合は、無理に避難場所へ向かうのではなく、建物の上階などで安全を確保する判断が必要になることもあります。その時点の自治体や気象情報を確認してください。
地図の更新日と紙版の時期も見る
ハザードマップは、一度保存したら終わりではありません。避難場所や防災情報などが更新されることがあります。
2026年8月時点で、東区の浸水ハザードマップは令和8年7月版が公開されています。札幌市によると、避難場所や大雨への備えなどが更新されている一方、ハザード情報そのものは令和5年1月版から変更されていません。
地震防災マップは、避難場所情報を更新した令和8年3月版がウェブで公開されていますが、冊子については当面、令和4年3月版が配布されると案内されています。
手元に紙の地図がある場合も、避難場所や最新のお知らせを見るときはウェブ版の更新日を一度確認しておくと安心です。
| 見るもの | 確認したい内容 |
|---|---|
| 浸水ハザードマップ | 洪水と内水、浸水深、想定条件 |
| 地震防災マップ | 震度、液状化危険度、家屋全壊率 |
| 避難場所 | 災害種別ごとの指定と開設状況 |
| 避難経路 | 道路冠水や川沿い、冬季の通りやすさ |
住宅を探すときも候補住所から見る
住まい探しでも、ハザードマップだけで物件を決める必要はありません。ただ、候補を一つに絞る前に住所を検索しておくと、そのあとに確認したいことが見えてきます。
近くに避難場所があるかだけでなく、そこまでどの道を通るのかも見ます。東区で暮らしていると、冬は雪で道幅や歩きやすさが変わることもあります。夏の地図を見ながら、冬に歩く場面まで少し想像しておきたいところです。
わたしなら、物件の設備や通勤時間を確認したあと、候補を絞る前にハザードマップを開きます。あとから不安になって調べ直すより、最初から判断材料の一つにしておくほうが落ち着いて選べます。
迷ったら「住所→災害→避難先→道」の順番で
ハザードマップを開いて情報の多さに迷ったら、まず自宅の住所を一つ検索します。
次に洪水と内水を分けて見て、地震も確認します。そのあと避難場所を探し、最後にそこまでの道を見ます。全部の情報を一度に覚える必要はありません。
わたしは猫と一緒に暮らしているので、急な場面で迷わないよう、避難先の候補は紙にも残しておきたいと思っています。車を普段使っていても、大雨の日に同じように移動できるとは限りません。
まずは自宅周辺の地図を開いて、避難先を一つ、その道を一つ確認するところから始めると、次に何を調べればよいか見えてきます。実際に大雨や地震が起きたときは、ハザードマップだけで判断せず、その時点の札幌市や気象機関からの最新情報を確認してください。













