丘珠空港の滑走路が延びると聞くと、飛行機の便がどう変わるのかに目が向きます。でも、空港のすぐそばで普段過ごしている人にとっては、もう少し身近な変化も気になるところです。
東区どさんこプレスのエリア担当ライター、ハルです。わたしは丘珠空港に隣接する丘珠空港緑地へ、ときどきウォーキングに行きます。
歩いていると、ランニングウェアでジョギングしている人と何度もすれ違いますし、犬を連れて散歩している人もよく見かけます。
そのため今回の滑走路延伸で気になったのは、「飛行機がどう変わるのか」だけではありませんでした。いつも歩いている緑地やウォーキングコースはどうなるのか。そこも、東区で暮らす立場から見ておきたいところです。
2026年8月24日時点で公表されている内容をもとに、決まっていることと、これから具体的に決まることを分けて見ていきます。
丘珠空港の滑走路は1,500mから1,800mへ
計画されているのは、現在1,500mの滑走路を300m延ばして1,800mにする事業です。
延ばし方については複数の案が比較され、2026年7月の国の計画段階評価では、北西側150m、南東側150mの両端を延ばす案による対策が妥当とされました。
この案は、大規模な道路や河川の切り回しを避けられ、比較された別案より事業費が低く、事業期間も短いことなどが理由とされています。
ただし、「延ばし方が決まった=すぐ工事が始まる」ということではありません。環境影響評価などの手続きが進んでいる段階で、着工や供用開始までには今後の手続きがあります。
ハルわたしは滑走路より、いつもの緑地がどうなるのかも気になりました
丘珠空港緑地は今のままではない可能性があります
丘珠空港緑地を普段使っている人にとって、ここは特に見ておきたいところです。
国の計画資料では、滑走路の延長と安全区域の整備に伴って、丘珠空港緑地の面積が減少するとされています。
さらに、今回妥当とされた両端150mの案では、南東側にある現在の園路を切り回す必要があることも示されています。
つまり、丘珠空港緑地の少なくとも一部は、現在とまったく同じ形のままではない見込みです。
一方で、新しい園路が具体的にどこを通るのか、現在歩いているコースの距離やつながり方がどう変わるのかまでは、まだ具体的に示されていません。
ウォーキング中に感じる丘珠空港緑地の開放感
わたしが丘珠空港緑地を歩くときに感じるのは、空の広さです。


2026年5月6日にウォーキングへ行ったときにも、芝生で写真を撮りました。写真に写っている範囲では高い建物がほとんど見えず、広い芝生の上に空が大きく開けています。
空港に隣接する緑地というと、飛行機を見る場所という印象を持つ人もいるかもしれませんが、実際に歩いていると、運動や散歩で日常的に使われている様子も目にします。
わたし自身、ランニングウェアでジョギングしている人と何度もすれ違いました。犬の散歩をしている人を見かけることもよくあります。
その光景を知っていると、園路の切り回しは単なる地図上の変更ではなく、普段歩いたり走ったりしている人にも関係する話に見えてきます。
ウォーキングやジョギングのコースはどうなる?
気になるのは、今後も同じように歩いたり走ったりできるのかというところです。
札幌市が2026年度に進めている丘珠空港緑地の基本計画策定では、北西・北東・南東地区について、滑走路延長などで影響を受ける場所や施設を整理することになっています。
現在の緑地が持つ機能としても、ジョギングやウォーキングなどに利用する軽スポーツエリア、休憩・眺望エリア、芝生エリアなどが整理されています。
つまり札幌市側でも、単に残った土地を整えるのではなく、現在どのように使われているかを踏まえながら緑地全体を検討していく段階です。
ただ、現時点で「今のウォーキングコースがそのまま残る」「同じ距離で新しいコースができる」とは言えません。
普段から距離を決めてウォーキングやジョギングをしている人なら、新しい園路の位置だけでなく、コース全体のつながり方も今後見ておきたいところです。
犬の散歩や芝生の使い方も気になるところ
ウォーキングコースだけが緑地の使い方ではありません。
犬の散歩で歩いている人を見かけることもあるので、園路がどうつながるかに加えて、芝生や休憩できる場所がどう配置されるのかも気になります。
札幌市の基本計画策定業務では、現在の利用状況や地域のニーズを把握し、「緑地機能の維持・向上」を目指して計画内容を検討するとされています。
まだ具体的な完成図が示されている段階ではないため、「緑地が狭くなるから使いにくくなる」とも、「新しくなって使いやすくなる」とも今の時点では決めつけず、再整備案を待って見ていくのがよさそうです。
札幌市では丘珠空港緑地の再整備を検討中
札幌市は2026年度、丘珠空港緑地の北西・北東・南東地区を対象に基本計画の策定を進めています。
対象となる緑地について、滑走路延長などで影響を受ける場所や施設を整理し、現在の利用実態や新しいニーズも踏まえて、今後の施設や動線を検討するものです。
業務期間は2027年3月19日までとされています。今後、具体的な計画図などが出てきたときには、現在の園路や芝生がどう変わるのか、改めて見比べたいところです。
丘珠空港緑地については都市計画変更の手続きも進んでおり、2026年8月7日から21日まで変更案の縦覧が行われました。
空港の滑走路だけを追うのではなく、札幌市の緑地に関する発表も合わせて見ると、普段使っている場所がどう変わるのかを追いやすくなります。
滑走路延伸で飛行機はどう変わる?
滑走路を1,800mに延ばす目的の一つは、小型ジェット機の冬季の運航制限を緩和することです。
国は、冬季の運航安定化のほか、道内外を結ぶ航空ネットワーク、安全・防災支援機能、道央圏の空港機能の強化につなげる考えを示しています。
ただし、滑走路が延びるからといって、今すぐ便数や行き先が増えるわけではありません。
実際の就航先、便数、時刻、運賃などは航空会社の判断にも関わります。現在利用する便については、これまで通り航空会社や空港から出る案内を確認するのが確実です。
2030年の供用開始は確定した日ではありません
札幌市などでつくる札幌丘珠空港機能強化推進協議会は、滑走路延長の2030年供用開始に向けて、国に早期事業化と早期着工を要望しています。
そのため「2030年完成」と確定した予定として見るより、2030年の供用開始を目指していると考えるのがよさそうです。
2026年7月の国の計画段階評価では、両端を150mずつ延ばす案の事業期間は3~4年程度とされています。ただし、実際の着工や供用開始時期については、その前の手続きや工事の進み方にも左右されます。
| 段階 | 見ておきたいこと |
|---|---|
| 現在 | 環境影響評価、事業化に向けた動き、丘珠空港緑地の再整備 |
| 工事が具体化した頃 | 園路の変更、緑地の利用案内、周辺道路や工事時期 |
| 供用開始が近づく頃 | 路線、便数、時刻、運賃、空港の利用案内 |
環境影響評価は2026年8月に次の段階へ
北海道開発局と東京航空局は2026年8月19日、札幌飛行場滑走路延長事業の環境影響評価方法書を公表しました。
方法書は、これから環境への影響について、どのような項目をどのような方法で調査、予測、評価するのかを示すものです。
2026年8月24日から9月22日まで縦覧され、9月7日から9日には札幌市内9会場で説明会が予定されています。環境保全の見地からの意見書は10月6日必着とされています。
説明会への参加や意見書の提出を考えている場合は、会場や時間、提出方法に変更がないか、国の公式ページで最新情報を確認してください。
騒音や自然環境だけでなく、空港に隣接する緑地を普段使っている立場から今後の変化を見る機会にもなりそうです。
暮らし方によって見る情報を分けておく
丘珠空港の機能強化は、滑走路だけを見ていると少し分かりにくくなります。自分が普段どう使っているかで、見る情報を分けると整理しやすくなります。
- 丘珠空港緑地を歩く・走る人
-
園路の新しい位置やコースのつながり、芝生や休憩場所などの再整備内容を見ます
- 空港周辺に住む人
-
環境影響評価、騒音、説明会、今後の工事に関する地域向け情報を見ます
- 丘珠空港を使う人
-
現在乗る便は航空会社の運航情報、将来の路線は正式発表が出てから確認します
- 車で近くを通る人
-
工事が具体化してから、周辺道路や通行に関する案内を確認します
丘珠空港緑地を歩く一人として変化を見ていきたい
滑走路が1,500mから1,800mになると聞くと、数字だけなら空港の中の工事に感じます。
でも、普段丘珠空港緑地を歩いていると、その300mが園路や芝生など、いつもの風景にもつながっていることが分かります。
2026年5月6日に撮った写真には、広い芝生と大きく開けた空が残っています。ジョギングする人とすれ違ったり、犬の散歩をする人を見かけたりするのも、わたしが知っている今の丘珠空港緑地の姿です。
これから再整備の具体的な形が見えてきたら、園路がどのようにつながり直すのか、歩いたり走ったりする場所としてどう変わるのかも見ていきたいと思います。
空港を利用する人は航空会社や空港の案内を、緑地を利用する人は札幌市の再整備情報を。自分の日常に近いところから追っていくと、滑走路延伸が暮らしにどう関わるのかも見えやすくなりそうです。













